本気で目指す。教採合格の必勝法は、徹底的な自己分析
もくじ
みなさまは、「自分について話してください」といわれたとき、すぐに何かを答えることができますか?
「何から話そう…」「自分ってなに?」と、伝えたいことはあるのに、うまく言葉にできなくて困ってしまう人も多いのではないでしょうか?
この記事では、自己分析を行う意味や、自己分析の重要性、自己分析を行う方法について、詳しく説明しています。
自己分析を通じて、自分について深く理解することができれば、面接試験での自己紹介や自己PRをはじめ、あらゆる質問に対応することができます。
また、自分がどのような人間であるかがわかれば、自分の新たな一面を発見することができ、教員採用試験以外はもちろん、日常生活のあらゆる場面で役立てることができるかもしれません。
ほけんしつ.netでは、教員採用試験必勝法として「面接官ごっこ」をしばしばあげています。
自己分析は、面接官ごっこにならぶ強力な教員試験対策方法です。
自己分析と面接官ごっこを完全なものにできていれば、内面についてはほぼ完成するかと思います。
教員採用試験に特化して書いていますので、教員採用試験合格を本気で目指される方は、ぜひ読んでみてください。
自己分析とは
自己分析とは、自分の性格、考え方、強みや弱み、好き嫌い、向き不向き、できることできないこと、価値観、そして、自分はこれから何をしたいか・どうなりたいかなどを理解し、言語化することです。
自己分析を行うことで、自分についてより深く知ることができます。
では、これらの特徴は、いったい何によって作られたものなのでしょうか?
それは、あなた自身の過去、つまり経験です。
よかったことも、よくなかったことも、覚えていないようなことでさえ、すべてはいまのあなたの一部となっています。
自己分析は、自分の過去に向き合い、ありのままに受け入れなければならないので、実はけっこう体力のいる作業かもしれません。
しかし、自己分析で得られるものは、非常に大きいです。
自己分析の最終目標
自己分析の最終目標は、自分だけのぶれない軸を確立することです。
ぶれない軸があるというのは、「自分が大切にしていることは何か」ということと「自分は何者か」ということとが、はっきりとわかっている状態です。
軸があると、あらゆる場面で迷うことがほとんどなくなります。
自己分析を徹底的に行い、自分について正しく理解することで、自分だけのぶれない軸にたどりつくことができます。
一見、軸を見つけるのは難しいことのように感じるかもしれませんが、実はすべての人に軸があり、見つかっていないだけということがほとんどです。
「あなたを一言で表す言葉」にたどりつくことができれば、ゴールは目の前です。
教員採用試験において、自己分析はなぜ重要なのか?
「教員採用試験は、人物重視の試験である」という言葉は、教員を目指される方なら一度は耳にしたことがあるかと思います。
教員採用試験では、面接試験が非常に重要です。
面接試験とは、いわばコミュニケーションの試験であり、面接官との質疑応答を通じて、受験者の教員(養護教諭)としての適性が図られます。
そのため、受験者は限られた時間の中で、はじめましての面接官に対し、自分がいかに教員(養護教諭)としてふさわしいかをアピールしなければなりません。
教員採用試験において、自己分析をおすすめする理由は、次の通りです。
- 自己PR・志望動機を明確にし、効率的にアピールすることができる
- 一貫性が生まれ、どのような質問をされても対応することができる
- 具体性が生まれ、回答に説得力を持たせることができる
これら3つの理由について、詳しく説明します。
自己PR・志望動機を明確にし、効率的にアピールすることができる
自己分析を十分に行うと、自己PRや志望動機は、おのずとブラッシュアップされていきます。
自己PRや志望動機といえば、あらかじめ用意する文章ですが、もっと言えば、面接試験中はすべて自己PRと志望動機を伝える場だと思ってください。
繰り返しになりますが、受験者にとって面接試験は、自分がいかに教員(養護教諭)としてふさわしいかをアピールする場です。
教員採用試験では、当然ながら、魅力的な人が上から順番に採用されますよね。
しかし、どれだけ素晴らしい人でも、その魅力が伝わらなければ意味がありません。
たとえば、アピールポイントを10も持っているAさんと、アピールポイントを5つしか持っていないBさんがいたとします。
ところが、面接試験当日、Aさんは10あるアピールポイントのうち1つしか伝えることができず、Bさんは5つすべてを伝えることができました。
このとき、AさんとBさんのどちらが合格すると思いますか?
おそらく、はじめましての面接官は、AさんよりもBさんの方が魅力的だと判断しますよね。
教員採用試験に合格するには、他の受験者よりも多くのアピールポイントを伝えなければなりません。
つまり、どれだけ上手に自分のことを伝えられるかが重要です。
そのためには、ロスタイムを削り、効率よくアピールすることが必要です。
面接時間はせいぜい数十分なので、アピールポイント以外のこと、ましてや自分のウィークポイントを伝えている時間など、1秒もありません。
時間は有効に使わなければなりません。
自己分析を通じて、自分の弱みがわかっていれば、うまく避けたり、補ったりすることができます。
反対に、自分の強みがわかっていれば、最大限に推すことができます。
このように自己分析を行うことで、自分がどのような武器を持っているかを知り、どのような防具が必要かを知ることができます。
みなさまはアピールポイントをたくさんお持ちだと思うので、それを100%伝え切りましょう。

当時の私の最大のアピールポイントは、「理系出身であり、論理的な思考ができること」、「人や物事の小さな変化に敏感に気づく、鋭い観察力があること」、「研究の経験から、集中力と忍耐力があること」、「パソコン作業が得意で、効率を重視した仕事ができること」、「努力家であり、保育士資格を独学で取得したこと」、「笑いが好きなこと」、「『絶対に養護教諭になる』という強い意志があること」でした。
面接試験中に必ず伝えると決めており、実際にすべて伝えることができました。
一貫性が生まれ、どのような質問をされても対応することができる
面接試験のあらゆる質問を想定し、それに対して暗記をしようとしている人はいませんか?
これは受験者がよくやる失敗で、かくいう私もしっかり経験しました(結果は不合格でした…)。
面接試験は、どれだけ対策をしても、予測不可能な質問が飛んできます。
暗記した答えを思い出そうとしたり、付け焼刃で答えようとしたりすると、自分で自分が何を言っているのかわからなくなり、回答がめちゃくちゃになってしまいます。
しかし、どんな質問に対しても、ぶれない軸があれば応用が利き、答えに困ることはありません。
つまり、回答を暗記する必要がなくなります。
面接試験は、全体を通じて総合的な印象で評価されます。
筆記試験のように、この質問に対する答えが合っていたから何点、この質問に対する答えが合っていたから何点、というように、一つ一つの回答に点数がつけられるわけではありません。
面接試験において重要なことは、どのような質問に対する答えも、一貫しているということです。
たとえば、「人との調和を大切にする」という軸があれば、性格について聞かれたときはもちろん、子どもへの指導、保護者への対応、教職員との関わり方など、あらゆる質問に対応することができます。
どんな質問に対しても、軸をもとに考えましょう。

私は、「合理的判断」を軸にしていました。
軸があると、「もっと違う答えをいえばよかったかな…」などといった迷いがなくなります。
迷いがなくなると自信が湧いてくるので(自信があるから迷いなくなるともいえますが)、面接官にポジティブな印象を与えることができます。
教員採用試験(養護教諭) 面接試験の質問例
もくじ 自己分析とは自己分析の最終目標教員採用試験において、自己分析はなぜ重要なのか?自己PR・志望動機を明確にし、効率的にアピールすることができる一貫性が生まれ…
具体性が生まれ、回答に説得力を持たせることができる
教員(養護教諭)を目指した理由として、「子どもが好きだから」と答える人も多いかと思います。
しかし、「子どもが好き」という言葉の意味を、深く考えたことがありますか?
「子どもが好き」という言葉を、「小さくてかわいいから好き」という意味で使う人がいれば、「考え方や行動がおもしろいから好き」という意味で使う人、はたまた「大切にすべき存在だから好き」という意味で使う人もいるかと思います。
「なんとなく子どもが好き」というよりも、「~という意味で子どもが好き」と、理由まで語る方が、説得力がありますよね。

私は、「健康は活動の基盤であり、教育は志向の基盤である」ということを軸にしていました。
養護教諭の志望動機はもちろん、編入学をした理由や、力を入れて取り組みたいことなどについて、より具体的に伝えることができました。
自己分析の方法
自己分析は、できるだけ早くから、時間をかけて繰り返し行いましょう。
効率さえよければ、筆記試験対策はどうにでもなりますが、自己分析はかなり時間がかかります。
なぜなら、自分は日々変化していて、その変化の分析を含めて自己分析だからです。
早い時期から自己分析を行うと、観測点が増え、より充実した自己分析を行うことができます。
私自身、編入学をした関係でスケジュールが厳しく、筆記試験対策は3か月間しか行うことができませんでしたが、自己分析は編入学前から取り組んでいました。
大学1年生からでも、高校生からでも、どのタイミングからでもかまいませんので、本気で教員採用試験合格を目指す方は、ぜひ早めにチャレンジしてみてください。
そして、教員採用試験までに(できれば合格してからも)何度も何度も行って、自分自身を客観的に見つめてください。
自己分析のために、私が行ったことをご紹介します。
自己分析は、最終的な目標である「ぶれない軸を確立する」ということを意識しながら行うようにしてください。
一人の時間をたくさん作り、自問自答を繰り返す
自己分析は、基本的には一人で行います。
自己分析は、自分への質問の連続、すなわち自問自答で成り立つからです。
自分の思考や感情、言動に対して、細かく細かく「どうしてそう思う・考えるのだろう?」「どうしてそう感じるのだろう?」「どうしてその選択をしたのだろう?」と逐一考えることで、自分について研究することができます。
そのためには、もう一人の自分が、自分のことを上から見下ろしているような感覚で、自分を客観的にとらえなければなりません。
どんな思考や感情、言動にも、深く追究すれば、必ず理由があるはずです。
常に「なぜ?」「どうして?」と疑問を持ち、自分との対話を通じて明らかにしていく癖をつけることが大切です。
自分自身と質疑応答を繰り返しましょう。
心理テストや性格診断、適性診断をする
心理テストや性格診断、適性診断も、立派な自己分析の一つです。
しかし、受けて終わりというわけではなく、いくつかのコツがあります。
- 回答を選ぶときは、「なんとなく」で選ぶのではなく、じっくり考え、その根拠を明らかにする。
- できるだけ、「どちらでもない」は選ばないようにする。
- 判断に迷う質問はメモに残し、何度も考える。
心理テストや性格診断、適性診断の質問の項目は、自己分析の指標となります。
上記のコツを意識して、受けるようにしましょう。
こちらのサイト(mgram)は、ほけんしつ.netとは関係のないサイトですが、心理テストオタクの私が今まで受けてきた中で、最もおすすめの診断です。
性格の中で特徴的な8つの要素を診断することができるのですが、質問が105問もあるので、かなり精密で情報量の多い診断だと思います。
また、過去の診断データとの比較も可能なので、私は時々気が向いたときに受けるようにしています(今回の診断は9回目でした)。
シンプルでわかりやすく、とてもおもしろい診断です。
有料コンテンツもありますが、無料のもので十分だと思います。
☟ 私の診断結果です。解説もあります。

周りの人にインタビューをする
一人での自己分析に行き詰まったら、周りの人に自分についてインタビューをしてみましょう。
フィードバックを行うために、「自己分析の結果、自分はこういう人間だと思うのだけど…」というように、答え合わせをしてみてもいいかもしれません。
家族、友達、先生、職場の人など、いろいろな人に聞くと、様々な意見が聞けておもしろいと思います。
特に、教育の分野以外の人に見てもらうのがおすすめです。
自分では気が付かない一面を教えてもらえるかもしれませんよ。
自己分析ツールを使用する
自己分析ツールを使って、自分について整理しましょう。
ダウンロードコンテンツとして、ページ下部にて配布しています。
① 私のマインドマップ
マインドマップとは、頭の中で考えていることを、脳に近い形で描き出すことができる、非常に優れた思考方法です。
マインドマップを使えば、複雑な思考を整理し、簡潔に表現することができます。
- あるキーワードやイメージ、概念を中央に置く。
- 関連する単語を放射状に配置し、広げる。
- 分岐点を線で繋げる。
- 色を付けたり、イラストを描いたり、重要な単語に印をつけたりする。
ダウンロードコンテンツでは、好き/嫌い、得意/不得意、できる/できないを中央に置いていますが、それ以外のキーワードやイメージ、概念を基準にマインドマップを展開してももちろんOKです。
私は、食が大好きなので、食にしぼったマインドマップを作成していました。
マインドマップは脱線しまくってOKです。
「好き」というマインドマップに「できる」が出てきたり、「できる」のマインドマップに「得意」が出てきたりしますが、かまいません。
用紙が真っ黒になるくらいにマインドマップを広げましょう。
登場回数の多い単語には、軸になる部分が隠れていることが多いです。
例として、私自身のマインドマップを作ってみました。
私は字が壊滅的に汚いので、今回はパソコンで作成しましたが、できれば手書きで作成することをおすすめします。

「好き」のマインドマップが一つあるだけで、
- どんな保健室にしたいですか? →子どもたちにとって居心地がよい保健室
- 性格は? →マイペース
- 長所は? →論理的な思考
- 特技は? →プログラミング
- 趣味は? →海外での一人旅
- ストレス解消法は? →睡眠と日本酒
など、様々な質問に対応することができますよね。
② 私のモチベーショングラフ
ある出来事に対して、自分のモチベーションがどのように変化したかについて評価することで、人生を振り返ることができます。
モチベーショングラフを作ると、自分の価値観を明確化することができます。
ダウンロードコンテンツのモチベーショングラフ作成ファイルでは、モチベーショングラフを簡単に作成することができます。


③ 私の自分史
歴史年表のように、自分の歴史を振り返りましょう。
自分史を作ると、面接試験でエピソードを交えた回答をしやすくなります。
ダウンロードコンテンツのモチベーショングラフ作成ファイルには、簡易的な自分史を書く欄を設けていますが、さらに深堀したい出来事を中心に文章化しましょう。

ダウンロードはこちら
マインドマップと自分史については、継続的な記録のためにヘッダーに日付を書く欄を設けていますので、よければ編集してお使いください。
ダウンロードボタンを押していただき、直接ダウンロードしてお使いください。
ダウンロードに当たり、Dropboxのアカウントがなくてもご使用可能です。
モチベーショングラフ作成ファイルについては、使いやすくするためシートを保護していますが、必要があれば解除してください。
おわりに
「面接試験は自己分析が制す」といっても過言ではないくらい、教員採用試験において自己分析は重要です。
自分について深く追究することで、今いる場所、そしてこれからすべきことが、おのずと見えてきます。
また、自己分析を通じて、新たな自分の一面に気づくことができるかもしれません。
あなたのことを一番よく知っているのは、あなた自身です。
自分博士になって、教員採用試験合格を勝ち取りましょう!